ホリエモンの恐怖 | 1991年の漂泊

ホリエモンの恐怖

あまりホリエモンのことばかりを書きたいとは思わないのだが、どうもまた彼の話題になってしまった。

1)わたしにどうしても理解できないのは、(社長、役員のみならず、社員も声明文を出して)嫌がるニッポン放送、しいてはフジテレビをどうして買収(乗っ取り)することが正当化されるのか?
もちろん、合法、非合法という法律上の問題ではなく、人間としての倫理観からである。

例えば、ニッポン放送が潰れそうとか、経営困難な状態で、それを助けるための支援という形であれば理解できるが、
「提携話を持ちかけたが、聞き入れられなかったから」という理由で、「それじゃあ、しょうがないから、いただきま~す」とはいかないだろう。
さらに、買収後は、役員総入れ替えどころか、言うことを聞かない社員はクビになるのも避けらなさそうだ。
その、クビになった役員、社員は何か悪いことをしたのだろうか?
よそ者の侵略者に、
「新しい会社の方針に合わなくなったので、出て行って!」
といわれて、
「はい、そうですか」
とすませられるか?
当事者になった身で考えてほしい。

私の意見では、彼は今回世間に警笛を鳴らしたことは偉かった。だから、乗っ取りは即刻中止し、正々堂々と自分でメディアの会社を設立すべきだと思う。そうすれば、彼の評価はもっと上がると思うのだが、所詮無理なことか。


2)先日ホリエモンが行った札幌での公演で、
「破産しても怖くない。ゼロになるだけ。 リセットできる。身近に倒産した知人がいるが、みんなニコニコして生活している」と述べているが、これについて、皆さんはどう思うか?

わたしは、「自己破産というのは、一番最後に許される例外処置」みたいなもの。つまり、大借金をして、返済不可能になり、自殺するような状況に追い込まれた人を救済するためにだけ許されるもの。と思われるのだが、彼の考える濫用も不可能ではない。

「ホリエモンを子供達の手本にしたい」という親がいるらしいが、このような「法の網をくぐる悪知恵」をつける子供が増えることが、本当に将来のためになるのだろうか?

ちなみに、 面白いブログを見つけたので、紹介する。
破産してもよいというのならば、「お金のない人はライブドアクレジットでキャッシングしまくって返さないようにすればよい!ホリエモン風に言えばそうではないだろうか?(246さんのコメント)」

何だかんだ言っても、彼に「遅かれ早かれ天命は下る」ことは間違いないのだが、ホリエモン賛成派の反論も聞きたいと思う。

(注)自分はホリエモン中立派だったのが、最近ホリエモン恐怖症候群にかかってしまったようだ(想定外だったが)。