メキシコの警官 | 1991年の漂泊

メキシコの警官

何年か前のこと、サンディエゴに住んでいて、ソニー・メキシコに勤務する友達と一緒に、ティファナに遊びに行った。
ご存知の人も多いと思うが、ティファナはアメリカとの国境の町。サンディエゴからは車ですぐの距離だ。

夕飯を食べて、適当にバーかどこかでマルガリータかコロナでも飲んでいた。
時間も過ぎて、夜はやっぱ危ないことも多いので、帰ることにした。
友達の車で、彼が運転していた。
彼は、帰る方向が逆と分かるやいなや、U-ターンをした。
「大丈夫か」と思ったとたん、後ろから、ピカピカやられた。
メヒコ(Mexico)のモーターサイクルにのったポリス。
近づいてきて、なにやら言っている。
「ノ ブエノ」
十秒もしないうちに、友達はポケットから$20札を出していた。

受け取ったメヒカノ・ポリスも、
「グラシアス」
とはもちろん言わなかったが、
「気をつけろ」
と、まともなことを言った。

結局、はした金で事は済んだ。
話には聞いていたが、やっぱりここはメヒコだ。

ちなみに、「ティファナはメヒコじゃない」と言うメヒカノも多いが、わたしは本当のメヒコを知らない。
前から、カンクーンとかカボサンルーカスに行きたいと思っているが、これもリゾート(観光地)だから本当のメヒコじゃないのだろう。